2024年現在、無償ESXiの終了をきっかけに、仮想化環境をXCP-ngへ移行する方が増えています。この記事では、XCP-ng 8.3 を自作PCにインストールし、仮想化基盤として動作させるまでの手順を、実際のスクリーンショット付きで詳しく紹介します。
このページは「ESXiからXCP-ngへ移行」シリーズの第2回です。
✅ 目次
目次
1. インストールに使用した構成と準備
- 使用バージョン:XCP-ng 8.3 Latest
- ISO取得先:公式サイト
自作PC構成
パーツ | スペック |
---|---|
マザーボード | ASRock X570 Taichi |
CPU | Ryzen 7 3700X(8C16T) |
メモリ | 128GB DDR4 |
ストレージ | SATA SSD 500GB ×2(RAID1)HDD 2TB ×2(RAID1)M.2 SSD 2TB ×1、1TB ×1 |
GPU | ASRock Radeon RX 6800 XT |
このような 中〜上位クラスの構成(ひと昔前のハイモデル) でも安定して動作しました。
2. BIOS設定(仮想化支援関連)
✅ 仮想化支援機能を有効化
BIOS設定:仮想化支援機能の有効化
XCP-ngで仮想化やデバイスのパススルー(PCIe/GPUなど)を行うためには、BIOSレベルで仮想化機能を有効化しておく必要があります。
1. SVM(Secure Virtual Machine)の有効化
BIOSメニュー内の [Advanced] → [CPU Configuration] に進み、SVM Mode を「Enabled(有効)」に設定します。

2. SR-IOV Support の有効化
[Advanced] → [PCI Subsystem Settings] に進み、SR-IOV Support を「Enabled」にします。

3. IOMMU の有効化
[Advanced] → [AMD CBS] → [NBIO Common Options] に進み、IOMMU を「Enabled」に設定します。

以上の設定を行ったら、F10で保存して再起動します。
✅ その他の確認ポイント
- セキュアブート:無効推奨(環境による)
- Fast Boot:無効化しておくとUSBブートが安定
3. インストールメディアの作成と起動
- 公式サイトからISOをダウンロード
- Rufusなどを使って、USBメモリに書き込み(GPT + UEFI推奨)
- BIOSでUSBから起動
4. インストール手順
1. GRUBメニューで「Install」を選択
XCP-ngのインストールメディアを起動し、最初に表示されるGRUBメニューで「Install」を選択します。

2. キーボードレイアウトを選択
「jp106」を選択して、日本語キーボードに対応します。

3. セットアップの確認
XCP-ngのセットアップを開始するか確認。「OK」を選択して進みます。

4. 使用許諾契約(EULA)の承認
ライセンス条項を確認し、「承認する」で次へ進みます。

5. インストールディスクの選択
XCP-ngをインストールする対象ディスクを選択します。RAID構成でも自動認識されます。

6. VMストレージの選択
仮想マシンのストレージを保存する場所を選びます。インストールディスクと同じでも、別でも構いません。

7. ファイルシステムの選択
仮想マシンストレージ用のファイルシステムを選択します。通常はEXTを選べば問題ありません。

8. インストールソースの選択
インストールソースとして「Local media(ローカルメディア)」を選択します。

9. インストールソースの検証
ソースを検証するか尋ねられたら、「Skip(スキップ)」でOKです。

10. rootパスワードの設定
rootユーザーのパスワードを設定します。英数字を含む安全なものにしてください。

11. ネットワークインターフェースの選択
使用するNIC(ネットワークカード)を選択します。複数ある場合はLANケーブルが接続されているものを。

12. IPアドレスタイプの選択
IPv4を使用する構成にするため、「IPv4 only」を選択します。

13. IPアドレスの設定
DHCPを使用する場合はそのまま。固定IPを指定する場合は「Static Configuration」で入力します。

14. ホスト名とDNSの設定
ホスト名(例:xcpng-host)と、DNSサーバ(例:8.8.8.8など)を入力します。

15. タイムゾーンの設定
「Asia/Tokyo」など、適切な地域のタイムゾーンを選択します。

16. NTPサーバの設定
NTP(ネットワーク時刻同期)を使用するか選びます。基本的にはデフォルトのままでOKです。


17. インストールの開始
設定内容を確認し、「インストール開始」を選択すると、XCP-ngのインストールが始まります。

5. まとめと次回予告
この手順で、XCP-ng 8.3を 仮想化支援有効な自作PCにインストールできました。
- ISO作成 → BIOS設定 → OSインストール → IP設定まで完了
- 次回は、GUI管理に使用する XCP-ng Center と Xen Orchestra のセットアップを紹介します。
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