2024年、VMwareによる無償ESXi提供の終了という衝撃的なニュースが走りました。これを受けて、多くの技術者や自宅サーバー運用者が「次はどの仮想化基盤を使うべきか?」という課題に直面しています。
私もその一人として、ESXiの代替候補をいくつか比較・検討し、最終的に XCP-ng を採用することにしました。本記事では、ESXi移行 を前提とした比較検討と、なぜXCP-ngに落ち着いたかについて解説します。
このページは「ESXiからXCP-ngへ移行」シリーズの第1回です。
✅ 目次
- なぜESXiをやめることにしたのか?
- 移行候補として検討した3つの選択肢
- 最終的にXCP-ngを選んだ理由
- 選定にあたっての構成と前提
- まとめと次回予告
1. なぜESXiをやめることにしたのか?
ESXiは、これまで無償で使える高性能な仮想化基盤として人気を博してきました。しかし、
- 無償版ESXiの終了
- 有償化への移行圧力
- セキュリティアップデートの提供停止
といった背景から、「現状は使えていても、将来にわたって安全・安定とは言えない」と判断しました。
このため、早期に ESXi移行 を前提とした仮想基盤の再構築を検討しました。
2. ESXi移行候補として検討した3つの選択肢
仮想化基盤として候補に挙がったのは、次の3つです:
候補 | 特徴 |
---|---|
Proxmox VE | GUI管理が充実。情報も多くユーザー数も多い。Debianベース。 |
KVM + Libvirt | シンプルで軽量。Linuxに馴染みがあれば柔軟性が高い。 |
XCP-ng | Xenベースの本格派ハイパーバイザー。GUIは別途用意(Xen Orchestraなど)。 |
Proxmoxもかなり魅力的だったのですが、「専用ハイパーバイザーを試してみたい」「あまり情報が出回っていない分、検証しがいがある」ことから、XCP-ng を採用する方向に傾いていきました。
3. 最終的にXCP-ngを選んだ理由(ESXi移行の決め手)
- 完全なハイパーバイザー型(Dom0構成):ESXiに近い思想で動作するため、違和感なく移行できる
- XCP-ng CenterやXen Orchestra によるGUI管理ができる(ESXiのvSphereに近い操作感)
- 無償・商用利用可・OSSライセンスで安心
- Proxmoxに比べて、仮想化そのものに特化した構成(中間的でない)
- あまり使っている人がいない=ブログネタとしても面白い(笑)
完全にProxmoxを否定するつもりはなく、自分の構成・目的・好みに一番合っていたのがXCP-ngだったというだけです。
4. ESXi移行の構成と前提条件
この比較・選定を行った時の実際の構成は以下の通りです。
項目 | 内容 |
マザーボード | ASRock X570 Taichi |
CPU | Ryzen 7 3700X(8C16T) |
メモリ | 128GB |
ストレージ | SATA SSD 500GB ×2(RAID1)HDD 2TB ×2(RAID1)M.2 SSD 2TB ×1、1TB ×1 |
GPU | ASRock Radeon RX 6800 XT |
これは「超ハイエンド」というわけではなく、ひと昔前のハイモデル程度の構成です。
このくらいのスペックでも、XCP-ngは非常に安定して動作しており、ESXiと比較しても遜色ない使用感です。
5. まとめと次回予告(XCP-ngインストールへ)
ESXi終了にともなう代替ハイパーバイザーの選定で、ProxmoxやKVMも検討した上で、 最終的に XCP-ngに移行することを決定しました。
次回は、
✅ XCP-ngのインストール手順(スクリーンショット付き) を詳しく紹介します。
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