Xen Orchestra(XO)インストールガイド|XO用VMで構築する手順

ESXiからXCP-ngへ移行する手順と構成まとめ|仮想化シリーズ案内

2024年現在、XCP-ng環境における本格的な仮想化管理ツールとして「Xen Orchestra(XO)」は非常に重要な存在になっています。

本記事では、XCP-ngCenterで接続確認後、Debian最小構成VM上にXen Orchestraをインストールする手順を、できるだけシンプルに解説します。


1. 準備:XCP-ngCenterからホスト接続

  • XCP-ngCenterを起動
  • ホストのIPアドレスまたはホスト名でXCP-ngホストに接続
  • ストレージプールとネットワーク設定を確認

2. ホストにSSH接続してISO Libraryを作成

ISOイメージを管理するためのストレージリポジトリ(SR)を作成します。SSH接続して、xe sr-create コマンドで登録します。

# SSHでXCP-ngホストに接続
ssh root@<XCP-ngホストのIPアドレス>

# ISO用ディレクトリを作成
mkdir -p /var/opt/xen/iso_import

# パーミッションを設定
chmod 755 /var/opt/xen/iso_import

# ISO Library用のSRを作成
xe sr-create \
  name-label="ISO Library" \
  type=iso \
  device-config:location=/var/opt/xen/iso_import \
  device-config:legacy_mode=true \
  content-type=iso

3. DebianインストーラISOのダウンロードと配置

ISO Libraryを作成した後、Debianインストール用のISOファイルをダウンロードして、XCP-ngホストに配置します。

# Debianインストール用ISOをダウンロード(例:Debian 12 Netinst版)
wget https://cdimage.debian.org/debian-cd/current/amd64/iso-cd/debian-12.10.0-amd64-netinst.iso

# 作成したISO Libraryディレクトリに移動
mv debian-12.10.0-amd64-netinst.iso /var/opt/xen/iso_import

# パーミッションの変更
chmod 444 /var/opt/xen/iso_import/debian-12.10.0-amd64-netinst.iso
chown root:root /var/opt/xen/iso_import/debian-12.10.0-amd64-netinst.iso

ダウンロード完了後、XCP-ngCenterのストレージブラウザから「ISO Library」を更新すると、ISOイメージが認識されます。


4. Xen Orchestra用VMの作成(Debian最小構成)

XCP-ngCenter上で、新規VMを作成します。

  • テンプレート:「Debian Bookworm 12」
  • OSインストールISO:Debian 12 (最小構成 netinst)
  • CPU数:1コア
  • メモリ:3GB(インストール後に減らしてもOK)
  • ディスクサイズ:10GB
  • ネットワーク接続:スタティックIP設定

1. VMテンプレートを選択:Debian12

「Other install media」からDebian12を選択して進めます。

Debian12テンプレート選択画面

2. VMマシン名を設定

任意のわかりやすいマシン名を設定します(例:xo-server)。

VMマシン名設定画面

3. インストールメディアを選択する:ISO LibraryのDebianISOを選択

作成したISO Libraryから、DebianインストーラISOを選択します。

BootModeをBIOSBootにする。

ISOメディア選択画面

4. Homeサーバを選択する

対象のXCP-ngホスト(Homeサーバ)を指定します。

Homeサーバ選択画面

5. CPUとメモリリソースを設定する:1CPU、3GByteメモリ

CPU数を1、メモリを3GByteに設定します。

CPUとメモリ設定画面

6. VMのストレージを設定する:サイズ10GB

仮想ディスクサイズを10GBに設定します。(スクリーンショット2枚)

ストレージ設定画面1 ストレージ設定画面2

7. VMのネットワーク設定をする

ネットワークを選択し、スタティックIP割り当てを行うための準備をします。

ネットワーク設定画面

8. VMを作成する

すべての設定を確認し、「作成」ボタンを押してVMを作成します。

VM作成完了画面

5. Debian初期設定(SSH有効化・apt update)

Debianインストール後、まず基本設定を行います。

# パッケージリストを更新
sudo apt update

# 必要な基本ツールをインストール
sudo apt install -y sudo curl git ssh

# SSHサービスが有効か確認
sudo systemctl enable ssh
sudo systemctl start ssh

6. Xen Orchestraのインストール(コピペコマンド)

XOのインストールは、以下3行コピペで一発完了します!

# スクリプトをダウンロード
curl -O https://raw.githubusercontent.com/ronivay/XenOrchestraInstallerUpdater/master/xo-install.sh

# スクリプトに実行権限を付与
chmod +x xo-install.sh

# スクリプトを実行
sudo ./xo-install.sh

インストール中に、管理者ユーザーのパスワード設定などが求められます。


7. XOにブラウザアクセスして動作確認

インストールが完了したら、ブラウザでアクセスします。

  • アクセスURL:
http://<VMのIPアドレス>

初期画面からログインし、XCP-ngホストへの接続設定を行います。仮想マシン・ストレージ・ネットワークが正しく表示されれば成功です!


8. まとめと次回予告

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